社長あいさつ

取締役社長 坂崎 全男

株主の皆様へ 2024年5月9日

平素は格別のご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
当社グループの2024年3月期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)における経営の概況をここにご報告申し上げます。

当期における当社グループを取り巻く経済環境は、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の回復や、個人消費を中心に総じて堅調に推移いたしました。しかしながら、国内においては、円安の進行や原材料価格の高止まりをはじめ、人手不足や賃金上昇等による物価の上昇傾向が続いております。また、当社グループが事業展開している東南アジア地域においても、軟調な輸出により景気回復が鈍化する等、国内外とも景気の先行きは依然として不透明な経済状況で推移いたしました。

このような状況の中、当社グループは、「住友事業精神」と「住友電設グループ企業理念」に基づく経営の基本方針に沿って、電気の安定供給等の社会インフラ維持に努めるなど、社会の要請に応えるべく事業活動を展開しております。また、2020年度よりスタートした中期経営計画「VISION24」(2020~2024年度:5ヵ年計画)に基づき、「新たな成長戦略と総合力で持続的発展を!」をテーマに掲げ、「総合設備企業グループ」として、各部門の施工力、技術力の底上げに向けて資源を投入し、より一層の成長・拡大を図るため、グループ一体となって取り組んでおります。

この結果、当連結会計年度の業績につきましては、以下のとおりとなりました。

受注高  2,258億65百万円(前年同期比 19.6%増)
売上高  1,855億24百万円(前年同期比  5.9%増)
営業利益    125億48百万円(前年同期比  6.8%減)
経常利益    135億02百万円(前年同期比  6.2%減)
親会社株主に帰属する
当期純利益
   100億60百万円(前年同期比  7.2%増)

受注高につきましては、国内外の大型工事の受注により、一般電気工事を中心に設備工事業全体で増加したことから、前期より増加いたしました。売上高につきましては、国内の電力工事や一般電気工事を中心に大型手持工事が進捗した結果、前期より増加いたしました。利益面では、働き方改革・職場環境の改善等、事業の根幹を支える人材の確保・育成のための経費増をカバーすべく、工事採算の改善、経費削減にグループ一体となって取り組んでまいりましたが、営業利益、経常利益で前期を下回る結果となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、政策保有株式の縮減を目的とした投資有価証券売却益等により、前期より増加いたしました。

総資産につきましては、売上債権が増加したことに加え、保有株式の株価上昇により投資有価証券が増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ19,077百万円増加の181,664百万円となりました。純資産につきましては、保有株式の株価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ11,314百万円増加の110,932百万円となりました。この結果、自己資本比率は58.3%となりました。

配当金につきましては、2024年3月期における業績が2023年5月11日に開示した業績予想を利益面において上回ったことから、株主の皆様の日頃のご支援にお応えするため、2024年3月期の期末配当金につきましては、前回予想より12円増配し、1株当たり59円といたします。これにより当期の配当金は、すでに実施の中間配当金47円と合わせ、1株当たり年間106円となります。なお、本件は2024年6月25日開催予定の定時株主総会に付議する予定であります。
次期の配当金につきましては、中期経営計画「VISION24」数値目標に掲げております配当性向40%をターゲットに1株当たり8円増配の年間114円(中間配当金57円、期末配当金57円)とさせていただく予定であります。

今後の事業環境の見通しにつきましては、データセンター等デジタル関連の成長分野の他、将来に向けては大都市圏を中心とした再開発事業等の大型案件が継続し、また、再生可能エネルギーをはじめとするカーボンニュートラル関連投資も堅調に推移すると予想されます。情報通信分野においてもIoT化等のICT環境の整備はより一層推進されること、さらには翌年の開催に向けた大阪・関西万博関連工事の本格化や、その後のIR関連投資等も期待されます。しかしながら足元では、人件費の上昇をはじめ、資機材価格の高止まりや調達遅延等、依然として先行きは不透明な状況にあり、今後の社会情勢、市場動向を注視していく必要があります。

2024年度は、中期経営計画「VISION24」の最終年度となります。資機材の価格高騰や納期遅延、人件費等物価上昇による経費の増加等、当初想定よりも厳しい環境が続いておりますが、引き続きグループの総力を挙げて重点施策に取り組み、「VISION24」数値目標達成に向け努力してまいります。

株主の皆様方におかれましては、今後とも一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2024年5月
取締役社長 谷 信

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